せせらぎの小道:春よこい

昨年春、采女公園

 

藤原辰史著「植物考」より抜粋

 マンクーゾは、植物学者として、更に中央集権的な組織の代替案を提示する。

 実際、少なくともヨーロッパでは、植物モデルに従って組織された構造は、しばらく前から存在している。それは“協同組合”である。協同組合はヒエラルキーのない組織で、全組合員が組織を支えている。具体的には、個々の組合員が資産を所有すこのような構造の特徴により、協同組合は、外的又は内的な聞きに対して、より大きな抵抗力を持つ。このような構造の特徴により、協同組合は、外的または内的な危機に対して、より大きな抵抗力を持つ。

 さすがに協同組合が栄えるイタリアの植物学者の言うことは一味違う。協同組合は、通説では1844年にイギリスのロッチデールでうまれた。相互扶助の精神の基づき、消費者、中小規模の事業者や農民などが、景気変動や天候不順などに影響されやすい自分たちの経済的利益を安定して享受できるように組織されたものである。株式会社のように株に応じて投票数が決まるのではなく、投資額にかかわらずひとり一票が与えられ、営利団体ではないので、余剰は組合員に分配される。物資を共同購入したり、生産、加工、販売、金融などを協同で営んだりする組織である。

 もう一つの植物的な組織のモデルがインターネットである、とマンクーゾは言う。