小川和久さんの著書の題名です。
Q・そもそも、戦争は何故起きるの?
なぜ人間は、何千年も前から戦争をくり返してきたのでしょうか。この問いに対する答えは一つではありませんが、主な原因をいくつか見ていきましょう。
●資源をめぐる争い : もっとも基本的な戦争の原因は、限られた資源をめぐる争いです。土地、水、食料、エネルギー 。生きていくために必要なものが足りなければ、人々はそれを奪い合う。古代の戦争の多くは、肥沃な農地や水源をめぐっておきました。現代でも、石油や天然ガスといったエネルギー資源、レアメタルなどの希少資源が戦争の原因になっています。中東での多くの紛争には、石油が関係しています。
●領土をめぐる争い : ロシアとウクライナの戦争も、イスラエルととパレスチナの紛争も、根底には領土問題があります。領土問題が解決しにくいのは、双方が「歴史的権利」があると考えているからです。「我々の祖先が何百年も前からここに住んでいた」「いやもっと昔から我々の領土だった」。
日本も、北方領土、竹島、尖閣諸島という三つの領土問題を抱えています。
●宗教や民族の対立 : ただし、宗教や民族の違いそのものが戦争を引き起こすわけではない。イスラエルとパレスチナの紛争は宗教戦争と説明されることがありますが、実際はもっと複雑です。本質は、限られた土地に二つの民族が住もうとしているという問題であり、宗教はむしろ対立を正当化するための道具として使われている面があります。宗教や民族の違いは、政治的な目的のために利用されることが多いのです。
●権力をめぐる争い : 国の指導者が、自分の権力を維持したり拡大したりするために戦争を始めることがあります。プーチン大統領がウクライナに侵攻した背景には、ロシアの「勢力圏」を取り戻し、かつてのソ連のような強い国にしたいという野心がありました。また、国内での支持率を高めるために、外敵との戦争を利用するという側面もあります。独裁者は特に、国民の不満をそらすために戦争を利用することがあります。

●イデオロギーの対立 : 20世紀の大きな戦争の多くは、イデオロギー対立が関係していました。資本主義と共産主義の対立が冷戦を生み、朝鮮戦争やベトナム戦争につながりました。現代では、民主主義と権威主義の対立が新たな対立軸になっています。
●恐怖と不信感 : 国と国の間に信頼関係がなく、互いに相手を恐れているとき、戦争が起きやすくなります。これを「安全保障のジレンマ」と呼びます。お互いが自分の国を守るために軍備を増強する(軍拡競争)という悪循環が最終的に戦争につながることがあります。例として第1次世界大戦が挙げられます。
現実の戦争は、ここに挙げた複数の原因が絡み合っています。ウクライナ戦争を例にとれば、領土問題、資源(特に穀物と天然ガス)、権力者の野心、イデオロギーの対立、安全保障のジレンマなど、さまざまな要素が関連しています。