コロナ対策(7)

2020年8月24日 毎日新聞電子版

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東京都健康長寿医療センターでのコロナ対策を報道している。自分の勤務する病院の対策と比較してみる。私たちには何が出来て何が出来ないか、何をしてはいけないのか、ということを考えるための比較です。

①分離した診療体系 : 感染対策部門と非感染対策部門を分離する必要がある。病院利用者は当然として携わる職員も分離する。入り口は分離されているが中に入って一緒と云うことになると最悪の逆効果が出現する。分離の結果、利用者の間にあるいは職員の間に対立構造が出てきます。

狭い建物の中で分離状態を造ろうとすると、各々の部門が「密」状態になる。

②重症化リスクが高いとされる高齢者は : 記事によると高齢者は持病悪化を理由に病院に来ることが多いという。コロナ感染を疑わないまま入院させてしまうケースがある。(当病院でも同じ)。院内感染防止の水際作戦という対策を講じてはいるが、これはどの医療施設でも難しい。また高齢者の場合、接触者相談センターへ電話するという行為が難しいものがある。(郡山では 024-924-2163)。お役所への連絡は誰でもいやがる。スマホなどを使いこなしている高齢者は少ない。一人暮らしの方も多い。

③職員は : 院内の会合を必要最小限とし、飲み会自粛も当然のこと。ただし有り余るスペースを持つ病院は珍しい。一人でも感染者があると全ての職員が濃厚接触者になる可能性が高い。完全分離は今の当施設では不可能。

④介護関係者は、通所リハビリに通っている高齢者は?、在宅介護を担当している職員は?、介護を受けている利用者は?

 

現在私たちが実行している標準予防策(スタンダードプリコーション)では市中感染となった場合無力に等しい。

考えれば考えるほどマイナス思考にならざるを得ない。自分たちだけの安全を考えていれば良いという状況でもない。