せせらぎの小道:徒然草

高校時代に国語を担当して頂いた相楽達先生が外来に見えられたとき「これ読んでみないか」といって、その時頂いたのが杉本秀太郎著:徒然草岩波書店:1996年。

相楽先生の鉛筆書きのチェックが入った単行本でした。

 

つれづれなるままに、日暮らし、硯にむかひて、心にうつりゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。

杉本秀太郎氏の口語訳

 独り居の、ざわめく心のまま、あかるいあいだ、ずっと硯にむかって、心のなかに順序もなく影を落としてすぎてゆく、さしたるいわれもない事どもを、そのまま取捨することなく書きしるしていると、果たしていま正気でこれを書いているのかしらと、我ながらいぶかしくなるほど気が熱してくるとは、なんとしたことか。

 

「つれづれ」という心の状態は?。ずっと「することがなく退屈している心」だとばっかり思っていたのですが、読み進めていくうちに「どうやらそうではない」ぞと思い始めた。これは何か「胸騒ぎがして居ても立ってもいられないような狂おしい」心の状態のように今は思っている。人の世の有り様が細部にわたって心配で心配でどうしようもない心の状態のようだ。何でこんなことに気づかなければならないのよこの人は等という投げやりな気持ちにさせられる時もある。吉田兼好さんの投げかけるものは実に大きい。

 

*院内感染調査報告

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2020年10月6日(火)福島民友の記事より。

会津医療センターの院内感染調査報告です。指定病院である会津医療センターは感染部門と一般部門が分離されている。今度の院内感染は感染部門から発生したものではなく一般診療の外来患者さんからの感染拡大であったと報告している。

起点となった外来患者さんは発熱の症状があったものの、肺炎の所見が見られなかったために入院時にPCR検査を行わず、基礎疾患の治療に重点を置いたという。

入院後に症状が悪化したことからPCR検査を行い、陽性と判明。結果として同じ病室の患者やスタッフに感染が拡がった。患者6人、職員11人の計17人の感染が確認されている。10月7日、会津医療センターの診療と入院受け入れが再開される。

県アドバイザーの仲村准教授は「新型コロナを想定した対応ではなかった」と指摘している。

 

*しっかりした責任ある調査結果だと高く評価したい。情報の公開も十分なものである.

仲村准教授は「院内での感染を拡大させないためには積極的な検査が重要。全ての医療機関に対するメッセージにしたい」と語っている。

 

*一般病院では次のように受け止める。

1.CT検査において肺炎の所見がないからといってコロナ感染を否定してはいけない。また無症状の感染者もいるということからすると症状と行動歴からコロナ感染を否定してはいけない。

2.PCR検査、抗原検査など予防策を昂じながら頻回に行う必要がある。受診者から見れば「高い検査量は払えない」ということもある。33,000円もする検査などあり得ない。

3.医療機関を利用する一般市民も一般の医療機関コロナウイルスを持ち込まないという努力が必要になる。医療機関と市民が協力、協同の考え方に基づいた防御策を造り上げることが望ましい。

4.季節性のインフルエンザが流行したとしても先ず必要なのはコロナ対策です。都合良く「私はコロナではなくインフルエンザに違いない」等とは思わないで、先ずコロナということになる。

5.症状が出たときにどうするか、何処に連絡を取れば良いのか今から考えておく。

 

どうでしょうか?

 

最近本気で読んだ本

少年と犬:馳 星周

雨降る森の犬:馳 星周  二冊とも犬の話。私は猫よりも犬が好き。

昔読んだジャック・ロンドンの「白い牙」と「荒野の呼び声」はオオカミ小説といっても良いくらい圧巻でした。また読んでみよっと。