せせらぎの小道:進歩と進化

尊敬する学者に、生命科学者の中村桂子先生がいる。チクマQブックス「科学はこのままでいいのかな」という著書でこんなことを述べられています。無断複写になりますがどうしてもメモをしておきたいので・・・

「進化も進歩と同じように新しいものを生み出しますが、進化では前のものがなくなるわけではなく、より多様になり、その多様性が保たれています。機械は均一なものを大量につくり、しばらくすると新型を登場させます。自動車もコンピューターもそうですね。そして新型の方が優れているとして古いものは見捨てられていくようにできています。・・・コンピューターを見ていると以前の技術との連続性がないことが不安になることがあります。40億年近く続いてきた生きものに学ぶ必要が無いだろうか、と。

人間の社会も、先ず多様性を生かし、続いていくことを大事にしましょう。人間は生きものですから、人間にも多様性があります。他の人と違っていてはいけないと思うことは間違いだと気づいてください。違っていながら関わり合っているのが生きものなのです。

 

SDGs(sustainable development goals)という言葉は知っていますね。Sustainableは持続可能という意味ですから、続けられるようにしようという気持ちでくらし方を考えなければいけないと、多くの人が考えはじめていることが解ります。ただ、そのためには、これまでの進歩、成長の価値観を見直さなければいけないはずですが、どうもその気配は見えません。価値観を変えずに持続は難しいのではないのでしょうか。

そこで私は40億年近く続いた生きものに学びましょうと呼びかけたいのです。私たちも生きものの仲間なのですし。

では、進化はどのように行われてきたかを見ましょう。

 

養老孟司先生と山極寿一先生は、対談の中で滅茶苦茶面白いことを述べられている。

山極先生の音頭取りで、今秋、京都で日本高齢者人権宣言が採択される予定です。

それらは次回。