せせらぎの小道:花の質感

2021年5月17日。バラ。

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牡丹と比較して薔薇の花には硬質感がある。時にはガラスを連想させるほどの硬質感があり、そこに壊れやすさまたは脆さを感じる。

カドヘリンという遺伝子がある。細胞間の接着剤として働く蛋白を作る遺伝子につけられた名前。角と縁(へり)というイメージを持たせる。日本人が発見した遺伝子です。がん細胞が他の臓器へ転移してそこで着床するための機序を研究していた人が見つけたという。

花の質感にも(姿形の維持)このようなものが働いていると思うと楽しくもある。

 

最近、管楽器のアルトサックスの練習を始めた。良きお師匠さんを紹介して頂いた。徐々にレッスンを重ねて行ってみると、ひとつひとつの音にはそれぞれの意味があって、それぞれに情感を持っているということに(当たり前のことですが)気づきました。一番悲しい音はシ♭です。一番楽しい音はファ♯ではないかな。

そしていくつかの音で、あるグループは和音となり、あるグループは不協和音となる。厳密な法則性があります。面白いですよ、人間社会と同じです。

 

この世界で最も美しい法則(定理)はピタゴラスの定理といわれています。例の直角三角形の定理です。A²+B²=C²。

ピタゴラスは、弦の長さと音程、和音の響きの研究もしています。

弦の長さを半分にすると1オクターブ高い音になり、1オクターブ違いの2音は、同時にならしても完全に調和して聞こえます。

弦の長さが3:2である2音も心地良く響きます。この2音はドとソ、ファとド(・)の関係にあります。

こうすると、ドとファ、ソとドの弦の長さが4:3になります。

元の弦の長さを12とし、ピアノの鍵盤の位置(右の方が高い音=弦が短い)に合わせて表すと分かりやすくなります。

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ピタゴラスからオイラーまで」坂江 正 著 より

 

ファとソの弦の長さの差が1に相当しており、この2音の差を「全音(トーン)」といいます。然し、音階と弦の長さは、オクターブの関係を見ると等差ではなく等比の関係であることが分かります。このファからソへの弦の長さの比の値8/9をもとにして、さらに音階を刻んでいきます。

 

突き詰めて考えていきますと頭が狂ってきそうになりますが限りなく広大な世界と結びついていることに気づいてきます。美の世界は楽しいし、面白い。

最終的には三角関数や運動論にまで発展し、さらには単純な円運動だったり渦巻き運動だったりする(?)。芸術と称されるものは奥が深いですよ、おもろいですよ、楽しいですよ、一緒に音を奏でようぜ!

 

メモ

 ピアノは打弦楽器あるいは打楽器、弦楽器。弦楽器というのが正しいと思う。ギターと同じように和音楽器です。だから独奏楽器として十分通用する。合奏のための楽器ではない。ピアノを何台も使っての合奏はつまらない。同じように、ギタークラブの定期演奏会は、ギターだけの場合の合奏だと、実につまらない。

それにしてもピタゴラスという人は何者?