せせらぎの小道:夢想

郡山市民オーケストラは創設50周年を迎えた。

「50周年に寄せての夢想」

 ある音楽家がインタビューに答えました。「クラシック音楽の理解を深めるための良い方法は?」「クラシックという言葉を頭から駆逐することです」。

郡山市民オーケストラの50年のあゆみ」を拝見しまして、ファミリーコンサートのプログラムを見るとき、その音楽家の答弁が思い出されました。オーケストラ=クラシックという等式を捨てたら?ということらしい。

もっと砕けるとモーツアルト=ジャニーズ等という等式が成り立ちそうですが、これは大いなる顰蹙を買いそうで、この式に関するお小言は私がいただきます。

 私は郡山市民オーケストラを身近に感じたいという方々を募ってゲネプロやステリハの時に演奏会場に押しかけてみたいという欲望を捨てきれないでいる。個人的に団長さんの許可を得まして、こういう体験を幾度かさせて頂いた時があった。音楽を創造している現場に居るというワクワク感は、本番の演奏とは違ったものなのですが、大変な高揚感を持ちました。

 勿論、演奏会当日、ユニフォームに身を包んだ個性豊かな団員達が、様式の美しさの中に溶け込み、そして観客と共に一丸となる姿には、そこにいる全ての人々が形容する言葉を失うほどの喜びを胸に抱く。こういう交響の感動を市民オーケストラは数え切れないほど醸し出してきました。多くの市民はそれを忘れてはいません。そして演奏会場に足を運びます。

 郡山市民オーケストラがこれからの50年も市民の側にあって、平和な世の中の象徴として存在する・・こんな事を後援会のひとりは夢想しています。