せせらぎの小道:芸術を文章に

職場の友人達がコロナに感染したり濃厚接触者になったりで本当はてんやわんやの状態なのですが、後期高齢者になった私は・・・家内の病気療養を理由にしたりして・・

緑水苑:初夏

 恩田陸蜜蜂と遠雷原田マハ、絵画、須賀しのぶ、革命前夜。絵画や音楽を小説にした作家と作品の羅列。

ひっくるめて芸術と言ってしまえばそれまでなのですが、絵画や音楽を文章にするというそのことに感動を覚えています。

小説を読んでいて音楽を聴いたり見たり、文章を読んでいて絵画を観たり。

震災原発事故の少し前から音楽を文章にしたいという、浅学・生意気・身の程知らずのことを考えてしまって、ヴァイオリン奏者の田中洋子さんに取り返しのつかないご迷惑をかけてしまったことがある。

田中さんのリサイタルで、そのスピーチに大変感動してしまって「田中さん、今日のスピーチ文章にしてください」とお願いしてしまった次第。その文章を基に音を文にしたいと思ったわけです。できればその道の雑誌にでも投稿したいと。

その作業中、大震災に見舞われました。3月15日、金曜日、午後2時50分頃、慌てて机の下に避難。命拾い。

デスクの上のパソコンは散乱、書類は後片付けの時に紛失、田中さんの原稿は探し出せませんでした。学生さんの時にアメリカでの演奏旅行に参加し、賞賛を受け、その時の感激を綴った大切な記録でした。

「あれどうしました?」と後日、田中さんに尋ねられて「・・・・・・・」。

そのことを春山先生にお話ししました。「なんとか田中さんにお伝えします」「泣くことはないだろう」というお言葉。どうやら少し涙声での無理なお願いだったようです。

 

田中さんは元気に演奏活動を続けられている。何時も笑顔を向けてくださいます。

「申し訳ございません」。