乳女碑：碑文
源義経公が文治年中当国をへて奥州平泉に御下向されたので静御前様御跡を慕ひ乳女と小六を供にして東路に赴せ給ひ八幡宮に御参籠 義経公恙く御対面を祈らせ給う翌日化粧し旅装束つくろわせたどり行給う折から小六長途の疲れから路に倒れ伏し遂に息絶えたり御前御なげき弥増り涙にくれさせ給う里人この様を見参らせ涙と共にこの所へ葬り小六峠と名付け給う里人に義経公の行方尋ねしにこれより遙か奥の平泉高舘にお在しますと答えければ聞くも怪しみ給わず御涙に咽ばせ給ひ頼りし小六には亡くなられ遙かに遠き平泉まで誰を頼りて御行方尋ね求めん術もなく是や限りと嘆かせ給ひ御被を脱ぎ沼へ捨てさせ乳女諸共例なる池へ御身を投げさせ給うこの所御前淵とて今もありところの長人ども当時御堂の所へ葬り奉り乳女わずかに退き葬り墓の印に桜を植え乳女桜いまもあります 撰文 大河原勝衛
碑文（裏） この度奉賛会役員一同にて乳女の碑を建立しご冥福を心からお祈り申し上げます 静御前奉賛会役員
会長 大河原勝衛 副会長 七海元雄 会計 七海直司 役員 根本正三
水上善彦 熊田輝雄 矢久保定雄 古川一郎 七海敏一 古川源三 鈴木一雄
古川太郎
昭和六十年三月二十六日 石工多田野 橋本八郎
写真は静御前通り沿いの静御前堂にある乳女碑と小六碑。乳女碑の方は比較的新しく碑文を読むことができたので記録した、が小六碑の方は漢文で古いと云う事もあり私には判読ができなかった。こういった文化遺産というか記念物は素材が御影石でもない限り風雪に耐えられず形が変わり碑文も判読不可能となる。電子データとして記録保存しておくと云う考え方はどうだろうか？一考に値するかも。
遠い昔の安高山岳部の同志諸君に語りかけます。夏休み、午前中の補習を受けたその後、「御前様までランニング、そこでテント設営の訓練！」当然テント一式背負って走ることになる。学校の部室では田代忠さんや佐々木寛侑さんなど先輩方がタイムを計って待っている。想像しただけでも恐ろしいような気もするが楽しかった。
御前様というのは「静御前堂」のこと。辺り一面は桑畑、桃畑、トウモロコシ畑。真夏、肥料の臭いもきつかった。そこを走り抜ける。当然静御前通りという通りもなく畑中の狭い砂利道でした。それでも楽しかった。飯豊連峰登山口までの死の行軍は私の計画のミスでした。後輩諸君！平にご容赦のほどを！
境内から通りの方を見ますと手前は静桜、右手向うは義経桜。私の立っている辺りかな、設営訓練をした場所は。
郡山観光協会の看板。石碑と比べてどうだろうか？
静御前堂の真後ろに針生古墳（はりゅうこふん）・郡山市指定史跡がある。径13㍍、高さ３㍍、古墳時代後期のもの。
古墳時代後期、安積は、平地に沢山の古墳が造られた。群集墳で規模は小さい。郡山に120、大槻に180もあったが開発の波に押されてしまっている。針生古墳は、考古学的な検索は行われていないが、静御前伝説のお陰をもって残っている。
この説明文は銅板に刻まれている？長持ちすると思う。
微笑ましくもあり、ワクワク一杯の石碑をお目にかけます。
静御前の舞姿である。すこし古さを感じる。問題は新しい方です。
同じく静御前の舞姿。精悍な躍動感あふれるまい姿です。問題は裏側の碑文。
碑文を読もう。祝「義経・静再会の儀」。平成十一年六月十七日。於 北海道平取町、義経神社。町民の、市民の、静御前の、切なる願いがほんとうに掛け値なしの切なる願いが平成の世に叶っているのです。
弘法大師と共に日本屈指のスーパーヒーロー、義経さんは奥州平泉で亡くなってはいない。判官贔屓とアイヌの歴史がマッチングし北海道に渡り、更に更にモンゴルまで渡って大活躍をします。ご興味のある方は義経伝説を学び、平取町義経神社を訪れて常盤御前（ときわごぜん 義経母）の石碑にお参りし、ついでに黒竜江を遡り大興安嶺を仰ぎ見てチンギス・ハーンに教えを請うという計画を練ってみたらどうだろうか。
夢は大きい方がよい、楽しい方がよい、明日に生きる夢であればなお良い。
