せせらぎの小道・実生30年

椿・栃・朴・など、花を咲かせ実を結ぶ、その実を発芽させ育てた。30年以上経過して自宅の二階まで届いた椿がある。勿論毎年うるさいほど花が咲く。

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写真は名匠・村田哲二氏の木彫・彩色。村田氏はスタジオZAZAの店主である。先だって亡くなったニコルさんの森林管理学を信奉し、スタジオZAZAの前庭?を森の庭園として育て上げた。そこには天然記念物級の沙羅双樹(ナツツバキ)が聳えるように鎮座している。

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実生30年以上の二股の栃。1990年少し前、檜原湖の奥にあった栃ノ木の実を採取してきてプランターで発芽させたものを(採取したヒトは私)、村田氏がお気に召して自らが管理する森林庭園に移植した。左隣にある松に生存圏を脅かされて樹冠の形が偏っているものの発育良好で、今年初夏、頂天の方に少ないながら花を咲かせた。右奥にある朴も同じ年齢なのだが、周囲の樹木との太陽エネルギー奪取作戦に遅れを取りスリムに伸びている。これも今年初夏少ないながら花を咲かせた。感激である。

村田氏と確認をした。「ヒトも樹木も100年の計が必要であることです」。

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写真ほぼ中央。スリムな朴にお気づきか?これも同じ時期のものだから30歳以上。太陽に向かってなんとか生き抜こうとしている姿が健気ではある。森林に居住する方々は太陽エネルギーこそが命なのです。それを合理的に分配するというのが管理者のお努めと云う事になる。

 

この近辺の山の稜線に風力発電のための風車を10~20基、設置しようという計画が実行に移されようとしている。この風車が設置されると、生態系への影響、水脈への影響、人体への影響が少なからず予想されます。村田氏ご夫妻の生活への影響も考えられます。苦労を重ねて築き上げてきた「この地での生存」が脅かされかけているように私の目には映りました。

ヒトの経済活動がヒトの生存を脅かすという有り難くない話である。