古代の湖(10)

自分たちの身近に新型コロナ感染者が漸増している中、熱中症が心配される中、どうしても気になることがありまして、だあれも訪れることのない山の井公園と采女神社に出かける。夏の午後の日差しが身に応える。

山の井公園からはなんと、鎌倉岳を中心にして観望すると、田村の山々(阿武隈山系)がよく見える。大安場古墳の方角だ。

もうひとつ、ここから額取山はどう見えるか、というのが気に掛かることでした。

ここでは額取山を、スーパーヒーロー達の伝説が生まれる前の名前、仮にあくまでも仮に、「あさかやま」とよび「安積山」と記す。

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山の井公園内から千枚田方面を見る。左手の太陽光線のくる西の方に安積山が見えるはずなのだが。

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帰りがけに采女神社が左手にある田圃の畦道から千枚田方面を見ると、丘の向こうに安積山連峰が顔を出す。樹木を取り除くと素晴らしい光景となり、これならば山の井に影を映す安積山であっても不思議ではなく、春姫伝説も全くの虚ではなくなる。ただし山の井を大きくする必要がある。

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ズームアップ。林を整備すればどうだろうか?。伝説がさらに生きてくる。

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1500年前の景色を今の景色と混同して万葉の歌枕を論じている無理な話なのだが、片平町から万葉の世界へワープするのには願ってもない風景だ。

さらに片平町の人たちが片平城と称する「上の館址」へと向かう。歩くとへべれけになる。

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上の館から観る安積山連峰。右手の小高い丘に采女神社がある。采女神社からも林を取り除けばという条件をつけるとなだらかな安積山連峰が望めるのだが、ここ上の館からの景色の方が古代の湖を想像するのには都合が良い。2020年8月27日現在の安積沼です。

同じ片平町でも、もう少し大槻方面へ移動すると違った風景が展開される。

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右手前方は安達太良連峰。左手中心よりに安積山連峰。磐梯山のとんがり帽姿はあの雲の方かなと云うくらい。万葉人(まんようびと)にはどちらが「あさかやま」とイメージされただろうか?

いろんなことを想像させてくれる古代の湖です。